Tosastudy-japa
1.現文単語
単語 | 読み | 意味 |
具体 | ぐ | はっきりとした形や内容を持っていること。観念的なものでなく,事実としてあること。 |
抽象 | ち | 個々の事物から,ある共通する性質を抜き出すこと。 |
捨象 | し | 抽象するときに,抜き出す性質以外のものを切り捨てること。 |
普遍 | ふ | 時代や場所にかかわりなく,あてはまること。広く共通していること。 |
特殊 | と | 普通のものとは異なっていること。限られたものだけにいえること。 |
絶対 | ぜ | 他に比較するものがなく成り立っていること。 |
相対 | そ | 他との比較の上に成り立っていること。 |
合理 | ご | 論理や計算にかなっていること。 |
非合理 | ひ | 論理に合わないこと。理性では捉えられないこと。 |
本質 | ほ | 物事の根本にある性質。 |
現象 | げ | 目や耳などの感覚で捉えることができるもの。 |
推論 | す | 事実や根拠のある事柄にもとづいて,別の事柄を導き出すこと。 |
帰納 | き | 個別の事実から一般的な法則を導くこと。 |
演繹 | え | 一般的な法則や原理を個別の事実にあてはめること。 |
概念 | が | 事物の抽象的な意味内容。 |
観念 | か | 物事についての意識や考え。 |
理念 | り | ある物事について,こうあるべきだという考え。 |
顕在 | け | 目に見える形ではっきりとあらわれていること。 |
潜在 | せ | 目に見える形であらわれず,内にひそんでいること。 |
内包 | な | ①内部に含むこと。 ②ある概念があてはめる事物が共通してもつ性質。 |
外延 | が | ある概念にあてはめる事物のすべて。 |
自律 | じ | 自分の立てた規律に従って物事を行うこと。 |
他律 | た | 他人の命令や指示によって物事を行うこと。 |
逆説 (パラドックス) |
ぎ パ |
①一見,常識に反するように見えながら,真理を言い当てている表現。 ②矛盾を含んだ表現。 |
アイロニー (イロニー,皮肉) |
あ | ①相手の欠点や弱点を遠回しの言い方で非難すること。 ②意図とは相反する結果が生じること。 |
一義(的) | い | ①意味が一つであること。 ②根本的であること。 |
多義(的・性) | た | 多くの意味を持っていること。 さまざまな解釈ができること。 |
両義(的・性) | り | 相反する二つの意味に解釈できること。 |
一元 | い | 事物の根本がただ一つであること。 |
二元 | に | 物事が二つの異なる要素から成り立つこと。 |
多元 | た | 物事が複数の要素から成り立つこと。 |
近代合理主義 | き | 理性による判断を絶対視する態度。 |
世俗化 | せ | 社会が宗教的価値観から離れていくこと。 |
ルネサンス | る | 十四~十六世紀に、イタリアを中心に ヨーロッパで起きた芸術・文化の革新運動。 |
宗教改革 | し | 十六世紀のヨーロッパに起こった宗教運動。 ローマ・カトリック教会の腐敗を批判し、 聖書中心主義を説いた。 |
ヒューマニズム | ひ | 人間性を尊重する思想。 |
人間中心主義 | に | 神に代わって、人間の理性を世界の中心とする態度。 |
け | 十七~十八世紀のヨーロッパで起きた思想運動。 理性にもとづいて、伝統的偏見・迷信・ 慣習・不合理な社会制度を打破しようとした。 |
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ロマン主義 | ろ | 十八世紀末~十九世紀にヨーロッパで広がった、 人間の個性と感情を重視する芸術・文化の運動。 |
個人 | こ | 社会を構成する、自律的に行動する主体。 |
共同体 | き | ①土地や生活基盤を共有する村落集団。 ②血縁や地縁、感情的なつながりをきばんとした集団。 |
市民社会 | し | 自由で平等な個人によって成り立つ近代社会。 |
国民国家 | こ | 一つの国民(民族から形成されている国家。) |
ナショナリズム | な | 国家・民族の統一・独立・発展を 推し進めようとする思想や運動。 |
国語 | こ | 一つの独立国家において公に認められた言語。 |
標準語 | ひ | ある国の国語において規範となる言語。 学校・放送・新聞などで広く用いられる。 |
想像の共同体 | そ | 国民国家は虚構(フィクション)によって 創られた共同体であるという理論。 |
民主主義 | み | 国民の意思に従って政治を行う体制。 |
自由主義 | じ | 国家の干渉を排除し、 個人の自由を尊重する思想。 |
個人主義 | こ | 個人の自由や権利を 尊重する考え方。 |
全体主義 | ぜ | 国家の利益を最優先し、 個人の自由や利益を否定する政治思想や政治体制。 |
資本主義 | し | 私有財産制・経済活動の自由・利潤追求を 原則とする経済体制。 |
社会主義 | し | 生産手段を社会で共有することで、社会の平等を実現しようとする理論・体制。 |
産業革命 | さ | 十八世紀のイギリスで起きた産業・経済体制の変革。 |
帝国主義 | て | 国家が軍事力で他の民族や国家を侵略し、 自国の領土・勢力の拡大をはかろうとする政策や動向。 |
資本 | し | 生産活動に使用される資金や工場・設備。 |
労働力 | ろ | 生産のために費やされる、仕事をする能力。 資本主義のもとでは、商品として扱われる。 |
し | 商品の交換や売買や、交換が行われる場所やシステム。 | |
貨幣 | か | 商品やサービスと交換できる価値があるものとして、 社会に流通しているもの。 |
均質な時間 | き | 時計によって計測される客観的な時間。 |
円環時間 | え | 太陽の運行や季節の循環をベースに作られた時間意識。 |
均質な空間 | き | 座標軸によって計測される客観的な空間。 |
トポス | と | 意味を帯びている場所。 |
都市 | と | 異質な人々が大規模に密集している地域。 |
風景 | ふ | 人間によって生み出される景色。 |
ほ | ①領主と家臣の主従関係を基盤とした政治制度。 領主は家臣に土地を与え、家臣は領主に対して軍役の義務を持つ。 ②領主が農民を土地に縛り付け支配する土地所有の制度。 |
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封建的 | ほ | 個人の自由・権利よりも上下関係を重視するさま。 |
社会契約説 | し | 社会・国家は平等な個人の契約によって成立するという思想。 |
疎外 | そ | ①よそよそしくすること。 ②人間が作り出したものに、人間が支配されること。 |
ニヒニズム | に | 既成の秩序や価値を否定し、あらゆるものを無意味とする考え方。 |
3.古文例文
八月十五日ばかりの月に出でゐて、かぐや姫いといたく泣きたまふ。人目も今はつつみたまはず泣きたまふ。これを見て、親どもも「何事ぞ。」と問ひさわぐ。かぐや姫泣く泣く言ふ、「先々も申さむと思ひしかども、必ず心惑ひし給はむものぞと思ひて、今まで過ごし侍りつるなり。さのみやはとて、うち出で侍りぬるぞ。おのが身はこの国の人にもあらず。月の都の人なり。それを、昔の契りありけるによりなむ、この世界にはまうで来たりける。今は帰るべきになりにければ、この月の十五日に、かのもとの国より、迎へに人々まうで来むず。さらずまかりぬべければ、おぼし嘆かむが悲しきことを、この春より思ひ嘆き侍るなり。」と言ひて、いみじく泣くを、翁、「こは、なでふことのたまふぞ。竹の中より見つけ聞こえたりしかど、菜種の大きさおはせしを、わが丈立ち並ぶまで養ひたてまつりたるわが子を、何人か迎へ聞こえむ。まさに許さむや。」と言ひて、「我こそ死なめ。」とて、泣きののしること、いと堪へがたげなり。かぐや姫のいはく、「月の都の人にて、父母あり。片時の間とて、かの国よりまうで来しかども、かくこの国にはあまたの年を経ぬるになむありける。かの国の父母のこともおぼえず、ここには、かく久しく遊び聞こえて、ならひ奉れり。いみじからむ心地もせず。悲しくのみある。されど、おのが心ならず、まかりなむとする。」と言ひて、もろともにいみじう泣く。使はるる人々も、年ごろならひて、立ち別れなむことを、心ばへなどあてやかにうつくしかりつることを見ならひて、恋しからむことの堪へがたく、湯水飲まれず、同じ心に嘆かしがりけり。
宵うち過ぎて、子の時ばかりに、家の辺り、昼の明かさにも過ぎて光りたり。望月の明かさを十合はせたるばかりにて、在る人の毛の穴さへ見ゆるほどなり。大空より、人、雲に乗りて下り来て、土より五尺ばかり上がりたるほどに、立ち連ねたり。内外なる人の心ども、ものに襲はるるやうにて、あひ戦はむ心もなかりけり。からうじて思ひ起こして、弓矢を取り立てむとすれども、手に力もなくなりて、萎えかかりたり。中に心賢しき者、念じて射むとすれども、ほかざまへ行きければ、荒れも戦はで、心地ただ痴れに痴れて、まもり合へり。立てる人どもは、装束の清らなること、ものにも似ず。飛ぶ車一つ具したり。羅蓋さしたり。その中に王とおぼしき人、家に、「造麻呂、まうで来。」と言ふに、猛く思ひつる造麻呂も、ものに酔ひたる心地して、うつぶしに伏せり。いはく、「汝、幼き人、いささかなる功徳を、翁作りけるによりて、汝が助けにとて、片時のほどとて下ししを、そこらの年ごろ、そこらの金賜ひて、身を変へたるがごとなりにたり。かぐや姫は、罪を作り給へりければ、かくいやしきおのれがもとに、しばしおはしつるなり。罪の限り果てぬれば、かく迎ふるを、翁は泣き嘆く、あたはぬことなり。はや返し奉れ。」と言ふ。翁答へて申す、「かぐや姫を養ひ奉ること二十余年になりぬ。片時とのたまふに、あやしくなり侍りぬ。また異所に、かぐや姫と申す人ぞおはしますらむ。」と言ふ。「ここにおはするかぐや姫は、重き病をし給へば、え出でおはしますまじ。」と申せば、その返り事はなくて、屋の上に飛ぶ車を寄せて、「いざ、かぐや姫。きたなき所に、いかでか久しくおはせむ。」と言ふ。立てこめたる所の戸、すなはち、ただ開きに開きぬ。格子どもも、人はなくして開きぬ。嫗抱きてゐたるかぐや姫、外に出でぬ。えとどむまじければ、たださし仰ぎて泣きをり。竹取心惑ひて泣き伏せる所に寄りて、かぐや姫言ふ、「ここにも、心にもあらでかくまかるに、昇らむをだに見送り給へ。」と言へども、「なにしに、悲しきに、見送り奉らむ。我をいかにせよとて、捨てては昇り給ふぞ。具して率ておはせね。」と泣きて伏せれば、御心惑ひぬ。「文を書き置きてまからむ。恋しからむ折々、取り出でて見給へ。」とて、うち泣きて書く言葉は、「この国に生まれぬるとならば、嘆かせ奉らぬほどまで侍らむ。過ぎ別れぬること、かへすがへす本意なくこそおぼえ侍れ。脱ぎ置く衣を形見と見給へ。月の出でたらむ夜は、見おこせ給へ。見捨て奉りてまかる、空よりも落ちぬべき心地する。」と書き置く。
天人の中に持たせたる箱あり。天の羽衣入れり。またあるは、不死の薬入れり。一人の天人言ふ、「壺なる御薬奉れ。きたなき所のものきこしめしたれば、御心地悪しからむものぞ。」とて、持て寄りたれば、いささかなめ給ひて、少し形見とて、脱ぎ置く衣に包まむとすれば、在る天人包ませず。御衣を取り出でて着せむとす。その時に、かぐや姫、「しばし待て。」と言ふ。「衣着せつる人は、心異になるなりと言ふ。もの一言言ひおくべきことありけり。」と言ひて、文書く。天人、「遅し。」と心もとながり給ふ。かぐや姫、「もの知らぬこと、なのたまひそ。」とて、いみじく静かに、おほやけに御文奉り給ふ。慌てぬさまなり。「かくあまたの人を賜ひて、とどめさせ給へど、許さぬ迎へまうで来て、取り率てまかりぬれば、口惜しく悲しきこと。宮仕へ仕うまつらずなりぬるも、かくわづらはしき身(*)にて侍れば、心得ず思し召されつらめども、心強く承らずなりにしこと、なめげなる者に思し召しとどめられぬるなむ、心にとまり侍りぬる。」とて、
今はとて天の羽衣着るをりぞ君をあはれと思ひ出でける
とて、壺の薬添へて、頭中将呼び寄せて奉らす。中将に、天人取りて伝ふ。中将取りつれば、ふと天の羽衣うち着せ奉りつれば、翁を、いとほし、かなしと思しつることも失せぬ。この衣着つる人は、もの思ひなくなりにければ、車に乗りて、百人ばかり天人具して昇りぬ。その後、翁、媼、血の涙を流して惑へど、かひなし。あの書き置きし文を読みて聞かせけれど、「なにせむにか命も惜しからむ。誰がためにか。何事も用なし」とて、薬も食はず、やがて起きもあがらで、病み臥せり。中将、人々引き具して帰り参りて、かぐや姫を、え戦ひとめずなりぬること、こまごまと奏す。薬の壺に御文そへて参らす。ひろげて御覧じて、いとあはれがらせたまひて、物もきこしめさず、御遊びなどもなかりけり。大臣、上達部を召して、「いづれの山か天に近き」と問はせたまふに、ある人奏す、「駿河の国にあるなる山なむ、この都も近く、天も近くはべる」と奏す。これを聞かせたまひて、
あふこともなみだにうかぶ我が身には死なむ薬も何にかはせむ
かの奉る不死の薬壺に文具して御使に賜はす。勅使には、つきのいはがさといふ人を召して、駿河の国にあなる山の頂に持てつくべきよし仰せたまふ。峰にてすべきやう教へさせたまふ。御文、不死の薬の壺ならべて、火をつけて燃やすべきよし仰せたまふ。そのよしうけたまはりて、士どもあまた具して山へのぼりけるよりなむ。その山を「ふじの山」とは名づけける。その煙、いまだ雲の中へ立ちのぼるとぞ、いひ伝えたる。
いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。
はじめより我はと思ひ上がりたまへる御方がた、めざましきものにおとしめ嫉みたまふ。同じほど、それより下臈の更衣たちは、ましてやすからず。朝夕の宮仕へにつけても、人の心をのみ動かし、恨みを負ふ積もりにやありけむ、いと篤しくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、いよいよあかずあはれなるものに思ほして、人のそしりをもえ憚らせたまはず、世のためしにもなりぬべき御もてなしなり。
上達部、上人なども、あいなく目を側めつつ、「いとまばゆき人の御おぼえなり。唐土にも、かかる事の起こりにこそ、世も乱れ、悪しかりけれ」と、やうやう天の下にもあぢきなう、人のもてなやみぐさになりて、楊貴妃の例も引き出でつべくなりゆくに、いとはしたなきこと多かれど、かたじけなき御心ばへのたぐひなきを頼みにてまじらひたまふ。
父の大納言は亡くなりて、母北の方なむいにしへの人のよしあるにて、親うち具し、さしあたりて世のおぼえはなやかなる御方がたにもいたう劣らず、なにごとの儀式をももてなしたまひけれど、とりたててはかばかしき後見しなければ、事ある時は、なほ拠り所なく心細げなり。
4.漢文単語
単語 | 意味 |
字 | あざな 元服の時に本名(諱)とは別につける呼び名 |
海内 | かいだい 国内,天下 |
寡人 | かじん(⇔対義語:朕) 王侯の自称,謙称。代用皇帝語は朕 |
干戈 | かんか 武器,戦争 |
諫言 | かんげん 王など目上の人の間違いや過ちを諌めること |
奇才 | きさい 優れた才能,優れた人物 |
期年 | きねん まる一年,一周年 |
堯舜 | ぎょうしゅん 中国古代の伝説上の聖天子。(堯と舜) |
郷党 | きょうとう 村里・村 |
君子 | くんし 人徳の優れた立派な人。 |
桀紂 | けっちゅう 夏王・桀と殷王・紂のこと。暴君の代名詞。 |
乾坤 | けんこん 天地。「乾坤一擲」など。 |
胡 | こ 中国北西の異民族。「胡人」はソグド人。 |
光陰 | こういん 時間・歳月・月日。「一寸の光陰軽んずべからず」。 |
江河 | こうが 長江と黄河。巨大河川。 |
古人 | こじん 昔の人。亡くなっている人。 |
故人 | こじん 旧友。昔馴染。 |
左右 | さゆう 側近の臣。近臣。 |
子 | し あなた。先生。 |
士 | し 卿・大夫に次ぐ官吏。学徳のある立派な人物。武士。 |
師 | し 軍隊・都。先生・手本。 |
社稷 | しゃしょく 国家。土地神と五穀の神。 |
豎子 | じゅし 幼児・子供・童僕・小僧。 |
須臾 | しゅゆ ほんの短い間。僅かな時間。暫く。 |
書 | しょ 手紙・書物。 |
城 | じょう 城壁をめぐらした市内。「城市」。 |
小人 | しょうじん 人格の低いつまらぬ人間。身分の低い者。 |
大人 | だいじん 徳のある優れた人。 |
丈夫 | じょうぶ 一人前の立派な男。優れた立派な人物。 |
食客 | しょっかく 客分として抱えておく家来。居候。 |
信 | しん 嘘を吐かないこと。真実・誠実・正直。 |
仁 | じん 慈しみ。思いやり。愛。儒教の最高の徳目。 |
人間 | じんかん 人間の世界。世の中。世間、俗世界。 |
寸毫 | すんごう ほんの僅か。 |
聖人 | せいじん 最高の人徳を持った立派な人。 |
千乗国 | せんじょうのくに 戦車千台を出せる程の強国。 |
千里馬 | せんりのうま 一日に千里も走る駿馬・名馬。転じて俊才・有能な人材。 |
粟 | ぞく 穀物。 |
長者 | ちょうじゃ 年長者。目上・徳が高い人。富豪・権勢のある人。 |
天年 | てんねん 寿命・天寿。 |
南面 | なんめん 天子・天子の位。天子として政治をすること。 |
二三子 | にさんし おまえたち(師匠が弟子に対して呼ぶ語)。 |
白頭 | はくとう 白髪の頭。 |
匹夫 | ひっぷ 一人の男、身分の低い男。つまらぬ男。 |
為レ人 | ひととなり 人柄・性格。 |
百姓 | ひゃくせい 人民。万民。 |
布衣 | ふい 平民・無位無官の者。 |
夫子 | ふうし 先生。あなた。 |
不肖 | ふしょう 愚かなこと。自分の謙称。愚かな息子。 |
兵 | へい 武器・兵士・軍隊。戦争。 |
吏 | り 官吏・役人。 |
卒ス | しゅつす(しゅっす) 死ぬ |
沛公旦日従百余騎来見項王。至鴻門、謝曰「臣与将軍戮力而攻秦。将軍戦河北、臣戦河南。然不自意能先入関破秦。得復見将軍於此。今者有小人之言、令将軍与臣有却。」項王曰「此沛公左司馬曹無傷言之。不然、籍何以至此。」
項王即日因留沛公与飲。項王、項伯東向坐。亜父南向坐。亜父者、范増也。沛公北向坐、張良西向侍。范増数目項王、挙所佩玉玦以示之者三、項王黙然不応。范増起、出召項荘、謂曰「君王為人不忍、若入前為寿、寿畢、請以剣舞、因撃沛公於坐、殺之。不者、若属皆且為所虜。」荘則入為寿、寿畢、曰「君王与沛公飲、軍中無以為楽、請以剣舞。」項王曰「諾。」項荘抜剣起舞、項伯亦抜剣起舞、常以身翼蔽沛公、荘不得撃。
於是張良至軍門、見樊噲。樊噲曰「今日之事何如?」良曰「甚急。今者項荘抜剣舞,其意常在沛公也。」噲曰「此迫矣、臣請入、与之同命。」交戟之衛士欲止不内、樊噲側其盾以撞、衛士仆地。
噲遂入、披帷西向立、瞋目視項王、頭髪上指、目眥尽裂。項王按剣而跽曰「客何為者?」張良曰「沛公之参乗樊噲者也。」項王曰「壮士、賜之卮酒。」則与斗卮酒。噲拝謝、起、立而飲之。項王曰「賜之彘肩。」則与一生彘肩。樊噲覆其盾於地、加彘肩上、抜剣切而啗之。項王曰「壮士,能復飲乎?」樊噲曰「臣死且不避、卮酒安足辞!夫秦王有虎狼之心、殺人如不能舉、刑人如恐不勝、天下皆叛之。懐王与諸将約曰『先破秦入咸陽者王之。』今沛公先破秦入咸陽、豪毛不敢有所近、封閉宮室、還軍覇上、以待大王来。故遣将守関者、備他盗出入与非常也。労苦而功高如此、未有封侯之賞、而聴細説、欲誅有功之人。此亡秦之続耳、窃為大王不取也。」項王未有以応、曰「坐。」 樊噲従良坐。坐須臾,沛公起如廁,因招樊噲出。
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