単語 | 読み | 意味 |
公共圏(公共性) | こうきょうけん | 特定の集団に限られる事なく、不特定多数の人々の正義や利害に関わる領域。 |
親密圏 | しんみつけん | 親密な人間関係から成り立つ領域。 |
リスク | りすく | 危険。危険を受ける可能性。 |
リスク社会 | りすくしゃかい | あらゆる場所にリスクが埋め込まれている社会。 |
再帰性 | さいきせい | 自分の行為や選択が、自分を含めてさまざまな物事に跳ね返っていくこと。 |
再帰的近代 | さいきてききんだい | 近代の生み出したものによって、近代自身が影響を受けること。 |
自己決定 | じこけってい | 自分の問題は自分で決定すること。 |
自己責任 | じこせきにん | 自分が選択した結果に対しては、自分が責任を取ること。 |
パターナリズム | は゜たーなりずむ | 相手の利益のためには、本人の意向に反してでも、意思決定や行動に干渉すべきだとする考え方。 |
リベラリズム | りべらりずむ | ①自由主義 ②経済的な弱者を救済し、福祉国家的な施策を支持する立場。 |
リバタリアニズム | りばたりあにずむ | 個人の精神的自由や経済的自由を至上のものとして尊重する立場。 |
コミュタリアニズム | こみゅたりありずむ | 共同体の道徳や価値を尊重する立場。 |
監視社会 | かんししゃかい | 人々をデータの束として処理して監視する技術が広く浸透している社会。 |
アーキテクチャー | あーきてくしゃ | ①建築、構造物。 ②人間の行動を制約するような設計や構造。 |
仮想現実 (ヴァーチャル・リアリティー) |
かそうげんじつ う゛ぁーちゃるりありてぃー |
コンピュータによって仮想の空間をつくり、その空間があたかも現実であるかのように知覚させること。 |
拡張現実 (AR) |
かくちょうげんじつ えいあーる |
人が知覚している現実を、情報技術によって拡張すること。 |
具体 | ぐたい | はっきりとした形や内容を持っていること。観念的なものでなく,事実としてあること。 |
抽象 | ちゅうしょう | 個々の事物から,ある共通する性質を抜き出すこと。 |
捨象 | しゃしょう | 抽象するときに,抜き出す性質以外のものを切り捨てること。 |
普遍 | ふへん | 時代や場所にかかわりなく,あてはまること。広く共通していること。 |
特殊 | とくしゅ | 普通のものとは異なっていること。限られたものだけにいえること。 |
絶対 | ぜったい | 他に比較するものがなく成り立っていること。 |
相対 | そうたい | 他との比較の上に成り立っていること。 |
合理 | ごうり | 論理や計算にかなっていること。 |
非合理 | ひごうり | 論理に合わないこと。理性では捉えられないこと。 |
本質 | ほんしつ | 物事の根本にある性質。 |
現象 | げんしょう | 目や耳などの感覚で捉えることができるもの。 |
推論 | すいろん | 事実や根拠のある事柄にもとづいて,別の事柄を導き出すこと。 |
帰納 | きのう | 個別の事実から一般的な法則を導くこと。 |
演繹 | えんえき | 一般的な法則や原理を個別の事実にあてはめること。 |
概念 | がいねん | 事物の抽象的な意味内容。 |
観念 | かんねん | 物事についての意識や考え。 |
理念 | りねん | ある物事について,こうあるべきだという考え。 |
顕在 | けんざい | 目に見える形ではっきりとあらわれていること。 |
潜在 | せんざい | 目に見える形であらわれず,内にひそんでいること。 |
内包 | ないほう | ①内部に含むこと。 ②ある概念があてはめる事物が共通してもつ性質。 |
外延 | がいえん | ある概念にあてはめる事物のすべて。 |
自律 | じりつ | 自分の立てた規律に従って物事を行うこと。 |
他律 | たりつ | 他人の命令や指示によって物事を行うこと。 |
逆説 (パラドックス) |
ぎゃくせつ パラドックス |
①一見,常識に反するように見えながら,真理を言い当てている表現。 ②矛盾を含んだ表現。 |
アイロニー (イロニー,皮肉) |
あいろにー | ①相手の欠点や弱点を遠回しの言い方で非難すること。 ②意図とは相反する結果が生じること。 |
一義(的) | いちぎ(てき) | ①意味が一つであること。②根本的であること。 |
多義(的・性) | たぎ(てき・せい) | 多くの意味を持っていること。 さまざまな解釈ができること。 |
両義(的・性) | りょうぎ | 相反する二つの意味に解釈できること。 |
一元 | いちげん | 事物の根本がただ一つであること。 |
二元 | にげん | 物事が二つの異なる要素から成り立つこと。 |
多元 | たげん | 物事が複数の要素から成り立つこと。 |
アナログ | あなろぐ | 情報を連続的に変化するもので表すこと。 |
デジタル | でじたる | 情報を数字や文字などの信号によって表すこと。 |
命題 | めいだい | ①真偽を判定できる文。 ②課せられた課題。 |
敷衍 | ふえん | ①おし広げて説明すること。 ②例などをあげて,わかりやすく説明すること。 |
規範 | きはん | 社会や集団のなかで行動する際に従うべき基準。 |
倫理 | りんり | ①社会や共同体の中で従うべき道理。 ②よりよく生きるための内面的な規範。 |
エートス | えーとす | ①慣習。習俗。 ②ある社会や文化に共有されている気風や精神性。 |
ジレンマ | じれんま | 相反する二つの事柄の板挟みになっている状態。 |
イデオロギー | いでおろぎー | ①政治や社会のあるべき姿についての信条や思想。 ②自らの立場を正当化するための思想。 |
フェティシズム (物神崇拝) |
ふぇてぃしずむ | ①特定のものに極度の愛着を示すこと。 ②人間みずからがつくりだした商品や貨幣を,それ自体価値のあるものとしてあがめること。 |
自己 | じこ | 自分によって把握された自分自身。 |
他者 | たしゃ | 自分とは異なる存在。自分の理解が及ばない存在。 |
自我 | じが | 他者と区別して意識される自分。 |
近代的自我 | きんだいてきじが | 近代社会の自由を背景に意識される自分。 |
アイデンティティ (自己同一性) |
あいでんてぃてぃ | ①自分が自分であると確信すること。 ②帰属意識。 ③他とは区別された独自性。 |
主体 | しゅたい | 行為をおこなうもの。作用・動作を及ぼす側。 |
主観 | しゅかん | ①外界に対する主体の意識。 ②自分だけの考えや感じ方。 |
客体 | きゃくたい | 主体の行為の対象となるもの。作用・動作を及ぼされる側。 |
客観 | きゃっかん | ①主観の認識の対象となるもの。 ②誰にとっても<同じように認識される考えや感じ方。 |
理性 | りせい | 感覚や感情に頼らず,論理的に物事を考える能力 |
感性 | かんせい | ①外からの刺激を感覚的に受け取る能力。 ②感受性。 |
ロゴス | ろごす | 言葉・論理・理性・比例などの意味をもつギリシア語。 |
パトス | ぱとす | 受動・受苦・情熱などの意味をもつギリシア語。 |
実体 | じったい | ①事物の正体。そのものの本当の姿。 ②他の影響を受けず,それ自体で存在するもの。 |
物心二元論 (心身二元論) |
ぶっしんにげんろん | 精神と物体(身体)は別物だという考え方。 |
ある人、弓射ることを習ふに、諸矢をたばさみて的に向かふ。
師のいはく、「初心の人、二つの矢を持つことなかれ。
のちの矢を頼みて、初めの矢になほざりの心あり。
毎度ただ得失なく、この一矢に定むべしと思へ。」と言ふ。
わづかに二つの矢、師の前にて一つをあろかにせむと思はむや。
懈怠の心、みづから知らずといへども、師これを知る。
この戒め、万事にわたるべし。
道を学する人、夕べに朝あらむことを思ひ、
朝には夕べあらむことを思ひて、かさねてねんごろに修せむことを期す。
いはむや一刹那のうちにおいて、懈怠の心あることを知らむや。
なんぞ、ただいまの一念において、ただちにすることのはなはだ難き。
②土佐日記・門出
男もすなる
それの年の、
そのよし、いささかに、ものに書きつく。
ある人、
かれこれ、知る知らぬ、送りす。年ごろ、よく比べつる人々なむ、
別れがたく思ひて、日しきりに、とかくしつつののしるうちに、
夜ふけぬ。
二十二日に、和泉の国まで、と平らかに
船路なえど馬のはなむけす。上・中・下
③方丈記・ゆく河の流れ
ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、
久しくとどまりたるためしなし。
世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。
たましきの都のうちに、棟を並べ、いらかを争へる、
高き、いやしき人の住まひは、世々を経て尽きせぬものなれど、
これをまことかと尋ねぬれば、昔ありし家はまれなり。
あるいは去年焼けて今年作れり。あるいは大家滅びて小家となる。
住む人もこれに同じ。所も変はらず、人も多かれど、
いにしへ見えし人は二、三十人が中に、わづかに一人二人なり。
朝に死に、夕べに生まるるならひ、ただ水の泡にぞ似たりける。
知らず、生まれ死ぬる人、いづかたより来たりて、いづかたへか去る。
また知らず、仮の宿り、誰がためにか心を悩まし、
何によりてか目を喜ばしむる。
その主とすみかと無常を争ふさま、いわば朝顔の露に異ならず。
あるいは露落ちて、花残れり。残るといへども、朝日に枯れぬ。
あるいは花しぼみて、露なほ消えず。
消えずといへども、夕べを待つことなし。
・古文単語帳
単語 | 意味 |
のたまふ のたまはす |
仰る |
仰す | 仰る お命じになる |
聞こゆ 聞こえさす |
申し上げる お~申し上げる |
申す | 申し上げる お~申し上げる |
奏す | (天皇・上皇に)申し上げる |
啓す | (中宮・東宮に)申し上げる |
承る | お受けする・お聞きする |
給ふ (ハ四) | お与えになる・下さる (お)~なさる |
給ふ (ハ下二) | ~ております(謙譲語2) |
たまはす | お与えになる・下さる |
たまはる | いただく お与えになる・下さる |
召す | お呼びになる お取り寄せになる お召しになる お乗りになる 召しあがる |
思す(思し召す) | お思いになる |
おほとのごもる | おやすみになる |
さぶらふ・さうらふ | お仕え申し上げる あります・おります ~です・~でございます |
はべり | お仕え申し上げる・伺候する あります・おります ~です・~ございます |
奉る | 差し上げる お~申し上げる お召しになる 召しあがる お乗りになる |
参らす | 差し上げる お~申し上げる |
まゐる(まうづ) | 参上する 差し上げる 召しあがる |
まかる(ラ四) まかづ(ダ下二) |
退出する 出かけます・参ります |
あそばす | なさる |
つかまつる | お仕え申し上げる いたす・し申し上げる お~申し上げる |
聞こし召す | お聞きになる 召し上がる・お飲みになる |
しろしめす | 知っていらっしゃる お治めになる |
おはす (サ変) おはします (サ四) |
いらっしゃる ~していらっしゃる |
(い,まし)ます いますかり |
いらっしゃる ~していらっしゃる |
御覧ず | 御覧になる |
ここら | 沢山,数多く 大層,甚だしく |
え~(ず) | ~ことができない |
な~そ | ~するな,~しないでくれ |
おほかた | 全く,少しも,決して (打消ナシ):大体,概して |
更に~(ず) | 全く,少しも,決して~ない (打消ナシ):さらに,その上 |
世に~(ず) | 全く,少しも,決して~ない (打消ナシ):実に,非常に |
たえて~(ず) | 全く,少しも,決して~ない |
つゆ~(ず) | 全く,少しも,決して~ない |
ゆめ(ゆめ)~(ず) | 全く,少しも,決して~ない 決して~するな |
つやつや | 全く,少しも,決して~ない |
をさをさ | 殆ど~ない |
よも~(打消推量) | まさか~ないだろう |
あなかしこ~(禁止) | 決して~するな |
ためらふ | 気持ちを静める,体を休める,病勢を落ち着かせる 迷ってぐずぐずする,躊躇する,躊躇う |
やすらふ | ためらう 立ち止まる,一息入れる,休息する |
かたらふ | 親しく語る,語り合う 親しく交際する,うちとける 契る,夫婦の関係を結ぶ 相談する,仲間に引き入れる,説得する |
住む | 住む 通って共に暮らす |
やむ | そのままになる,そのまま終わる |
うつろふ | 移りゆく 変わってゆく色褪せる 心変わりする |
見出だす | 外を見る 見つけ出す |
もてなす | 我が身を処する,振る舞う 待遇する,取り扱う,大切にする |
あつかふ | 面倒を見る,世話をする,看病する もてあます |
あくがる | 魂がさまよい出る,浮かれ歩く,上の空になる |
あふ | (合ふ,逢ふ)結婚する,契る (敢ふ)耐えられない,我慢できない ~きれない,~できない かまわないだろう,差支えないだろう |
しほたる | 涙を流す,涙で袖が濡れる |
かきくらす | 空を暗くする,辺り一面を暗くする 心を暗くする,悲しみに暮れる |
まどふ | 迷う,悩む,途方に暮れる,狼狽える,心が乱れる ひどく~する |
たばかる | 考えを巡らす,工夫する 騙す,企む |
すさぶ | (何かに)興じる,楽しむ,気の向くままに~する 慰みに~する |
すまふ | 抵抗する,争う 辞退する,断る |
・漢文句形帳
・漢文教書例文
蜀漢丞相亮、悉衆十万、又由斜谷口伐魏、進軍渭南。
蜀漢の丞相である亮は,十万の兵を総動員して,
斜谷口から渭水南岸五丈原に軍営を置いた。
魏大将軍司馬懿引兵拒守。亮数ゝ挑司馬懿戦。懿不出。
魏の大将軍である司馬懿は兵を引いて守りに徹した。
亮は司馬懿にいばしば戰いを挑むも,戦おうとしなかった。
乃遣以巾幗婦人之服。亮使者至懿軍。懿問其寝食及煩簡、
そこで亮は婦人向けの装飾や衣服を贈った。
亮の使者は司馬懿の軍に到着した。
懿問其寝食及事煩簡、而不及戒事。
懿は亮の生活と仕事の多さについて尋ね,
軍事については言及しなかった。
使者曰、「諸葛公夙興夜寐、
使者が言うには,「諸葛公は
早朝に起きられ夜遅くにお休みになり,
罰二十以上皆親覧。所噉食不至数升。」
最も軽い刑罰を始め全ての刑罰を
自ら統括されている。
懿人曰、「食少事煩。其能久乎。」亮病篤。
懿が人に言うには,「食べるものが少なく忙しい。
長生きはできるだろうか,いや,できない」亮の病は重かった。
有大星、赤而芒。墜亮営中。未幾亮卒。
大きな彗星が尾を長く伸ばし,
亮の軍営に墜落した。亮は間もなくして亡くなった。
長史楊儀整軍還。百姓奔告懿。懿追之。
役人を監督する役職の楊儀は,軍をまとめ退却しようとし,
渭南の住人はこれを懿に赴き伝えた。懿は追撃した。
姜維令儀反旗鳴鼓、若将向懿。
姜維は楊儀に旗を広げて攻撃に転じ,
今にも懿に向かわんとするよう命じた。
懿不敢逼。百姓為之諺曰、「死諸葛走生仲達。」
懿は進んで追おうとしなかった。
人々は言った,「死んだ亮が生きている懿を逃げさせた」と。
懿笑曰、「吾能料生、不能料死。」
懿は笑って,「私は生きている人の策を考える事はできるが,
死んだ人の策を考える事はできない」と言った。
皆お待ちかねの
予想問題!