具体 | ぐたい | はっきりとした形や内容を持っていること。観念的なものでなく,事実としてあること。 |
抽象 | ちゅうしょう | 個々の事物から,ある共通する性質を抜き出すこと。 |
捨象 | しゃしょう | 抽象するときに,抜き出す性質以外のものを切り捨てること。 |
普遍 | ふへん | 時代や場所にかかわりなく,あてはまること。広く共通していること。 |
特殊 | とくしゅ | 普通のものとは異なっていること。限られたものだけにいえること。 |
絶対 | ぜったい | 他に比較するものがなく成り立っていること。 |
相対 | そうたい | 他との比較の上に成り立っていること。 |
合理 | ごうり | 論理や計算にかなっていること。 |
非合理 | ひごうり | 論理に合わないこと。理性では捉えられないこと。 |
本質 | ほんしつ | 物事の根本にある性質。 |
現象 | げんしょう | 目や耳などの感覚で捉えることができるもの。 |
推論 | すいろん | 事実や根拠のある事柄にもとづいて,別の事柄を導き出すこと。 |
帰納 | きのう | 個別の事実から一般的な法則を導くこと。 |
演繹 | えんえき | 一般的な法則や原理を個別の事実にあてはめること。 |
概念 | がいねん | 事物の抽象的な意味内容。 |
観念 | かんねん | 物事についての意識や考え。 |
理念 | りねん | ある物事について,こうあるべきだという考え。 |
顕在 | けんざい | 目に見える形ではっきりとあらわれていること。 |
潜在 | せんざい | 目に見える形であらわれず,内にひそんでいること。 |
内包 | ないほう | ①内部に含むこと。 ②ある概念があてはめる事物が共通してもつ性質。 |
外延 | がいえん | ある概念にあてはめる事物のすべて。 |
自律 | じりつ | 自分の立てた規律に従って物事を行うこと。 |
他律 | たりつ | 他人の命令や指示によって物事を行うこと。 |
逆説 (パラドックス) |
ぎゃくせつ パラドックス |
①一見,常識に反するように見えながら,真理を言い当てている表現。 ②矛盾を含んだ表現。 |
アイロニー (イロニー,皮肉) |
あいろにー | ①相手の欠点や弱点を遠回しの言い方で非難すること。 ②意図とは相反する結果が生じること。 |
一義(的) | いちぎ(てき) | ①意味が一つであること。②根本的であること。 |
多義(的・性) | たぎ(てき・せい) | 多くの意味を持っていること。 さまざまな解釈ができること。 |
両義(的・性) | りょうぎ | 相反する二つの意味に解釈できること。 |
一元 | いちげん | 事物の根本がただ一つであること。 |
二元 | にげん | 物事が二つの異なる要素から成り立つこと。 |
多元 | たげん | 物事が複数の要素から成り立つこと。 |
アナログ | あなろぐ | 情報を連続的に変化するもので表すこと。 |
デジタル | でじたる | 情報を数字や文字などの信号によって表すこと。 |
命題 | めいだい | ①真偽を判定できる文。 ②課せられた課題。 |
敷衍 | ふえん | ①おし広げて説明すること。 ②例などをあげて,わかりやすく説明すること。 |
規範 | きはん | 社会や集団のなかで行動する際に従うべき基準。 |
倫理 | りんり | ①社会や共同体の中で従うべき道理。 ②よりよく生きるための内面的な規範。 |
エートス | えーとす | ①慣習。習俗。 ②ある社会や文化に共有されている気風や精神性。 |
ジレンマ | じれんま | 相反する二つの事柄の板挟みになっている状態。 |
イデオロギー | いでおろぎー | ①政治や社会のあるべき姿についての信条や思想。 ②自らの立場を正当化するための思想。 |
フェティシズム (物神崇拝) |
ふぇてぃしずむ | ①特定のものに極度の愛着を示すこと。 ②人間みずからがつくりだした商品や貨幣を,それ自体価値のあるものとしてあがめること。 |
自己 | じこ | 自分によって把握された自分自身。 |
他者 | たしゃ | 自分とは異なる存在。自分の理解が及ばない存在。 |
自我 | じが | 他者と区別して意識される自分。 |
近代的自我 | きんだいてきじが | 近代社会の自由を背景に意識される自分。 |
アイデンティティ (自己同一性) |
あいでんてぃてぃ | ①自分が自分であると確信すること。 ②帰属意識。 ③他とは区別された独自性。 |
主体 | しゅたい | 行為をおこなうもの。作用・動作を及ぼす側。 |
主観 | しゅかん | ①外界に対する主体の意識。 ②自分だけの考えや感じ方。 |
客体 | きゃくたい | 主体の行為の対象となるもの。作用・動作を及ぼされる側。 |
客観 | きゃっかん | ①主観の認識の対象となるもの。 ②誰にとっても<同じように認識される考えや感じ方。 |
理性 | りせい | 感覚や感情に頼らず,論理的に物事を考える能力 |
感性 | かんせい | ①外からの刺激を感覚的に受け取る能力。 ②感受性。 |
ロゴス | ろごす | 言葉・論理・理性・比例などの意味をもつギリシア語。 |
パトス | ぱとす | 受動・受苦・情熱などの意味をもつギリシア語。 |
実体 | じったい | ①事物の正体。そのものの本当の姿。 ②他の影響を受けず,それ自体で存在するもの。 |
物心二元論 (心身二元論) |
ぶっしんにげんろん | 精神と物体(身体)は別物だという考え方。 |
独我論 | どくがろん | 自分の自我だけが存在し,他人や外界は自己の意識のなかだけの存在にすぎないとする考え方。 |
間主観性 (共同主観性) |
あいだしゅかんせい | 自分も他者も同じ世界を経験しているに違いない,という私の確信。 |
身体 | しんたい | からだ。近代哲学では物体と同様に軽視され,精神と中立的に語られる。 |
間身体性 | あいだしんたいせい | 複数の人間の身体感覚が相互に浸透しあうこと。 |
自由意志 | じゆういし | 他から強制されることなく,自分の行動を自覚的に決定できる意志。 |
決定論 | けっていろん | 人間の行為も含めて,世界に起こる出来事はすべてあらかじめ決定されているという考え方。 |
責任 | せきにん | ①自分がしなればならない任務。 ②ある行為の結果として負わなくてはならない不利益や責め。 |
実存 | じつぞん | ①現実に存在すること。 ②人間の個別具体的なあり方。 |
実存主義 | じつぞんしゅぎ | 実存の内実を探求する思想。 |
構造主義 | こうぞうしゅぎ | 構造やシステムの分析を通じて,人間に関するさまざまな事象を明らかにしようとする思想。 |
歴史 | れきし | 現在から意味付けられた過去の事実。 |
時間論 | じかんろん | 「時間とは何か」に関する議論や考察。 |
想起 | そうき | 過去の出来事を思い起こすこと。 |
単語 | 意味 |
見る | 見る,会う 思う,分かる 関係を結ぶ,結婚する 面倒を見る,世話をする |
見す | 見せる 結婚させる |
見ゆ | 見える,思われる 見られる,見せる (女性が)結婚する |
かいま(垣間)みる | 覗き見る |
よばふ(≠夜這う) | 呼び続ける 求婚する,言い寄る |
好く | 風流を好む,芸事を熱中する 色ごとを好む,恋愛に熱中する |
わたる(渡) | 行く,来る,通る(移動行為) いらっしゃる(存在) ~し続ける 一面に~[動詞] |
ありく(歩く) | 歩き回る,動き回る,出歩く ~しまわる ~し続ける |
おこなふ(行ふ) | 仏道修行をする,勤行する |
なやむ(悩む) | 病気になる,病気で苦しむ |
おこたる(怠る) | 病気が治る |
おくる | 先立たれる,死に後れる 後になる,残される,劣る |
ながむ(眺,詠) | (眺)もの思いに沈む,もの思いにふける,ぼんやり見る (詠)口ずさむ,音に出す |
ときめく | 寵愛を受ける,特別に愛される (時流に乗って)栄える,もてはやされる |
かしづく | 大切に育てる 大切に世話をする |
めづ(愛づ) | 愛する,好む,かわいがる ほめる,たたえる,感嘆する |
おどろく(驚く) | 目を覚ます,起きる (はっと)気づく 驚く(=現代語) |
こうず(困ず) | 疲れる 悩む,困る |
おぼゆ(覚ゆ) | 思われる 思い出す,思い出される 似る,似ている |
聞こゆ | 聞こえる 噂される,評判になる 分かる |
まもる・まばる(守る) | 見つめる |
たのむ(頼む) | あてにする・頼りにする・期待する あてにさせ・頼りにさせる・期待させる |
かづく | かぶる,(貴人からほうびとして)いただく かぶせる,(貴人がほうびとして)与える |
ののしる | 大声を出す,大声で騒ぐ 評判になる,噂になる 勢いが盛んである,羽振りをきかす |
やる(遣る) | (人を)行かせる,(物を)送る (動詞「やらす」の形で)~きれない,最後まで~しない |
いらふ(答ふ) | 答える |
にほふ(匂ふ) | 美しく映える,美しく輝く 香りがする(=現代語) |
あきらむ(明らむ) | 明らかにする,はっきりさせる |
ねんず(念ず) | がまんする (心の中で)祈る(=現代語) |
まうく(設く) | 準備する 用意する |
ゐる(居,率) | (居)座る じっとしている,留まる,(鳥が)とまる ~ている (率)連れる,伴う |
具す | 伴う,連れる,添える |
経(ふ) | 経つ(経過) 通る(経由) |
さる(避,去) | (避)避ける (去)来る,(その時に)なる 立ち去る,過ぎ去る |
ものす | (物事を)する いらっしゃる |
ならふ | 慣れる 親しくなる,なじむ |
しのぶ(忍,偲) | (忍)我慢する,堪える(耐え忍ぶ) 人目のつかぬようにする (偲)思い出す,恋い慕う |
わぶ | 困る,嘆く,つらく思う ~しかねる |
をかし | 素晴らしい,趣深い おかしい,滑稽だ |
よろし | 悪くはない(相対的に良い) 普通の |
つきづきし | 似つかわしい,ふさわしい |
なまめかし | 優美だ,上品だ 若々しい,瑞々しい |
めでたし | 素晴らしい |
うるはし | きちんとしている,整っている,端正だ 立派だ,美しい,見事だ |
やむごとなし | 高貴だ,尊い 格別だ,並々でない,優れている |
おとなし(大人) | 大人らしい,大人びている,ませている 思慮分別がある,落ち着いている 主だっている,年配で中心的な立場の者である |
ゆかし | 見たい,聞きたい,知りたい 心ひかれる,慕わしい |
なつかし | 親しみ深い,心ひかれる,好ましい |
はづかし | 恥ずかしい,決まりが悪い (相手が)立派だ |
こころにくし | 奥ゆかしい,上品だ,心ひかれる |
うつくし | 可愛い,愛しい 美しい |
かなし | 愛しい,可愛い 悲しい |
らうたし | 可愛い,いじらしい |
めやすし | 感じが良い,見苦しくない |
あやし(怪・賤) | (怪)不思議だ,変だ,妙だ (賤)身分が低い,卑しい 粗末だ,みずぼらしい |
さうざうし | もの足りない,寂しい |
つれなし | 平然としている,平気だ 冷淡だ,薄情だ |
なめし | 無礼だ |
おどろおどろし | 大袈裟だ,仰々しい 気味が悪い,恐ろしい |